人気ロックバンド・Dragon Ashのボーカルを務める”Kj”こと降谷建志ですが、1999年にリリースされた名曲『Grateful Days』で、ラッパーのZeeBraとコラボしたことは、今でも多くの人の記憶に刻まれているのではないでしょうか。

今回は、そんな二人の貴重な共演シーン等を振り返っていきたいと思います。

ZeeBraの『真っ昼間』を、KjがRemix

ZeeBraは、1997年にリリースされた1stシングル『真っ昼間』で、ソロメジャーデビューを果たしていますが、Steady&Co.(降谷建志&BOTS)が同曲のRemixを担当し、初コラボを果たしました

『THE RHYME ANIMAL REMIX E.P.2』(1999)に収録されています。

対談①

こちらは、『Grateful Days』の制作が実現するきっかけとなった二人の貴重な対談シーンです。

『SPACE SHOWER TV』公式HP

『Grateful Days』(1999)

1999年にDragon Ash featuring Aco, Zeebra『Grateful Days』がリリースされました。

90万枚以上の売上を記録し、Dragon Ashのシングルで最も売れたとなっています。

『Grateful Days』のレコーディング映像

こちらは、『Grateful Days』の貴重なレコーディング映像です。

この中でも、KjはZeeBraについて、”ずっと接近したいと思ってた“・”雲の上の存在だと思っていた“と語っています。

対談②

こちらは、もう一つの二人の対談シーンです。

『Kj×ZeeBra②』

 Kj:ZeeBraさんみたいに、才能あると思ってる人だったりとかと、すごい一緒に作りたいっていうのは前からあるんですよ。まあ雲の上っていう人のトラックを俺がRemix・・(略)
Ze:本当にストレートにHIPHOPとかってやってるような人達ばっかりチェックしてたから、そういう意味で、”あーこういう感じでHIPHOPがちゃんと反映したものがこうやって出来てきて、しかもそれがちゃんと注目を浴びたりしてるんだー良いじゃん!”とか思ってさ。それはじゃあ是非絡んでみたいなっていう。
 Kj:ちょっと若くて、音楽好きなやつにしてみれば、HIPHOPだったりROCKだったり、SOULだったりていうのは、ごく自然にセレクトのリストに入るんだけど、そんなに音楽には興味なくて、テレビ見て与えられたものを買ってる人達は、こっちに来ないじゃないですか。
Ze:もうさ俺さ、いい加減さ、”アメリカの10年前だ”とか”15年前だ”とか言ってのも、もう疲れちゃってさ。
 Kj:それはでも、俺らの世代は分かんなくて、ZeeBraさんとかの世代が戦って切り開いたHIPHOPのシーンが、俺らは最初からあるから、音楽始めた時から。そういう苦労は全然してないんですよね。だからかなり得だと思う。
Ze:でもね、そのために俺はやってんだよ。ある意味で。
 Kj:HIPHOPに興味を持った時点で、J-RAPのシーンっていうのは結構あって。キングキドラだったりとかだから自然に、日本のHIPHOPはカッコ良いっていうのは、最初からあった
Ze:世界進出とか、そういうのもやっぱやりたいし、別に全然考えてないわけじゃないし、まあ少しずつ少しずつやっていきたいなとは思ってるけど、それってすごい個人的な事でさ、それよりも全体、例えば日本の音楽シーンを、もっと自分とか自分が良いと思ってるアーティスト達が頑張ってやってる事によって、すごい全体が変わって**になったりとかする方がよっぽど大変だし、でもよっぽどやりがいがあるし、やれたら最高だよ。そういう事を見てやってる人が一人でもいたら嬉しい。
 Kj:もっとrhymeとかの意味で勝負すべきですよね。俺らの世代くらいのやってる人達は。格好だったりとかそういうのじゃなくて。そうすれば、全然閉鎖的じゃなく、認められるとか受け入れられるっていうのは、俺も証明できたし。頭下げるとかじゃなくて、自分の意志を通したまま、そのスタイルを受け入れられるべきですよね。
【音楽について】
 Kj:大好きなんですけど、やっぱり食えなきゃ話になんないんですよ。メジャーで出す以上は、意味ないことだと思うんで。やっぱり受け入れられるっていうのは、すごい大切な事だと思う。独りよがりは良くないから。
Ze:例えばメッセージを伝えるにしたってね、一人でも多くの人に聞いてもらえた方が良いわけだから。
 Kj:休みはなくなって、睡眠もその分なくなるんですけど、楽しいうちはやっとこうかなっていう。

編集の関係で、会話シーンが断片的になっているものもありますが、二人のHIPHOPに対する思いや、自身の音楽活動について重要視している事などが語られています。

YOKOHAMA ARENA Tour「Freedom of Expression」に、ZeeBraがゲスト出演。

同年に開催されたDragon Ashのライブツアー『Freedom of Expression』の横浜アリーナ公演に、ZeeBraがゲスト出演しています。

『Dragon Ash』公式HP

『ROCK IN JAPAN FESTIVAL.2000』

日本の最大規模の夏フェスの一つである『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』の第一回目(2000年)に、Dragon AshとZeeBraがそれぞれ出演しています

『ROCK IN JAPAN FES 2000』公式HP

Dragon Ashの『I LOVE HIP HOP』『Summer Tribe』に、ZeeBraが激怒!?

 

ZeeBraがKjに対してDISをする大きな要因となったのが『Grateful Days』の次に発売されたDragon Ashの6thシングル『I LOVE HIP HOP』と、8thシングル『Summer Tribe』と言われています。

ZeeBraは、当時のKjの声質やフロウ、ライブでの振る舞い、曲の制作手法等があまりにも酷似している事について、複数の楽曲の中でDISっています。

ちなみにZeeBraのこれまでのKjに対するDISについては、こちらのサイト(ZEEBRA vs Kj)で詳細にまとめられています。

キングギドラが『公開処刑』をリリース。

2002年には、キングギドラ(KGDR)が『公開処刑 feat.BOY-KEN』を制作しました。

同年には、全国ツアーも開催され、同曲が披露されてました。

ちなみに、2ndアルバム『最終兵器』に収録されています。

FACTORY』で、公開処刑を披露。

2016年まで放送されていた音楽番組『FACTORY』(フジテレビ)に、キングギドラ(KGDR)がゲスト出演し、『公開処刑』を披露しました

『FACTORY』公式HP

同曲を地上波音楽番組で披露したのは、これが初めてではないかと思います。

『GGTV』で、『公開処刑』について語る。(2003)

ジョージ・ウィリアムズがMCを務めていた番組『GGTV』(MUSIC ON! TV【Viewsic】)に、Kjがゲスト出演し、公開処刑について次のように語っています

『公開処刑についての心境』

【MC:ジョージ・ウィリアムズ】
ジョ:僕としても言いづらいけど、公開処刑という曲あったでしょ?
 Kj:うん。
ジョ:でそれを初めて聞いた時に、うん・・驚いたね。
 Kj:うん。
ジョ:辛かったと思うんだ。
 Kj:うん。
 ジョ:だから何回も建志に電話したかったんだよ。でもこういうのってさ、やっぱ一人で背負っちゃいかんと思うんだ。でも電話して何を言うべきなのかっていうのは正直言ってわかんない。でもまあ時間経って、雑誌のインタビューで”解決した”っていうか、”自分では受け入れるようになった”っていうようなことが書いてあったから、安心はしたんだけど、どうそれを乗り越えたの?
 Kj:いや乗り越えるもクソもないっていうかさ、もうやるかやんないかじゃん音楽やめるか続けるかのどっちかじゃん
ジョ:うん。
 Kj:まあだから音楽はまだちょっとやりたいかなって。でも全然やめようと思ったよ簡単にやめれるんだな、やめれようと思うんだなって思った。英語とかいけるからさ、普通に英語圏のところに住めばいいじゃん。物価安いところに。で普通に暮らしてもいいなって思ったし。音楽やりたくないなってかなりずーっと思ってたけど。まあでもしょうがないっていうか、やるかやんないかで、やるんだから、じゃあもうやるみたいな感じ。解決は全然してないけどね
ジョ:自分なりには?
 Kj:うん。
ジョ:強さっていうのは、言い返せる・やり返せる権限?パワーを持ってるのに、やらないっていうのは、俺すごいパワーのある行動だと思った。自分をコントロールして、歴史をよくわかってる人の行動だと思うんだ。でも普通の人間だと、建志も普通の人間だと分かるんだ。でも例えば、僕がそういう事言われたら、やり返したらこれはすごい紛争になるんだっていうのをわかってても、俺やっちゃうかもって思うんだ。でも(建志は)やりかえしてないんだよ。そのパワーってどっからくるの?
 Kj:自分ですごい考えてやってるっていうよりは、テンパったら聖書でしょ?やっぱり。あなたもそうだと思うけど。
ジョ:いや一緒。
 Kj:右の方打たれたら左の方出しちゃうみたいな感じでさ。自尊心とかどうでも良くなってくるっていうかさ。完全に(音楽を)やってるのが楽しいっていう事なんじゃない。この今の世界での己を誇りたいわけではなくて、楽しいからっていう感じ。あとライブとかやってると、見てるやつかみんな笑ってたりするじゃん。汗だくだくで。あーいうのもなんか良いなと思うし。だからそっちを取っとくかって感じ。とりあえず今は。やめるよりは、そっちの方が自分的には大きいかなって

とりあえずKjが音楽を続けてくれて良かった。ただそれだけですね。

Kjが音楽雑誌『MUSICA』で、ZeeBraとのコラボを後悔を吐露?

 音楽情報雑誌の「MUSICA 12月号」で、Dragon AshのKjが、ZEEBRAとのコラボ曲でもある『Grateful Days』に対して、「正直やんなきゃよかった」とインタビューで語った。このコメントは、かなりサプライズであるのではないだろうか?

 また、同時にZEEBRAを牽制するようなコメントも残している。「死ね」だとか「殺す」とかいうような、「人を傷つける曲を作ることができない」ともKjは述べた。これは、ZEEBRAを間接的に批判しているようにも思える。インタビューでは、『Grateful Days』だけしか解説してないように思われるが、ZEEBRAから完全に決別したいというような感じも伺える。

引用元:ZEEBRA vs Kj

人気音楽雑誌『MUSICA』(FACT)のインタビューでは、「やらなきゃよかった」後悔発言をしていたようです

『MUSICA』公式HP

Zeebraが『フリースタイルダンジョン』のイベントで、最近のKjとの仲について語る。

Zeebraは、自身がオーガナイザーを務めていた『フリースタイルダンジョン』のイベントで、公開処刑やKjと久々に再会したことなどについて次のように語っています。

『Q(ラッパ我リヤ)の結婚パーティーでKjと遭遇』

【共演者:岡田純一・KEN THE 390】
Ze:いやーテレビ業界怖いね。何ですかね、何て言うの、もう昔のことじゃないですか。で、”真似をやめてね”って言ったら、真似をやめてくれたから、”もういいじゃないですか。そんな事は”と、俺は思ってるんですけど。
岡田:じゃあ円満?
Ze:僕はね。でも何て言うのかな、向こうは向こうの気持ちがあるから。向こうの気持ちのいい時に、またなんかできたらなと僕は思ってますけどね
岡田:大丈夫ですか皆さんこれで(笑)
Ze:1回だけねー遭遇したことがあるんですよ。『ラッパ我リヤ』のQの結婚パーティーみたいなものがありまして、そこに行ったら当たり前のように遭遇して、”同じ場所にいるのにね、まあなんか挨拶しないのも変じゃないですか”と思って、で彼は自分の席からずっと動かなかったから、で周りはヒップホップの奴らばっかなんで、なんかちょっと俺気効かせて、「おいー、久しぶり!」って言ったんですけどあんまり上手く行かなくって(苦笑)
KEN:ええっ・・。
Ze:「今度じゃあちょっと飯でも、なんか食おうよ!」って俺が一方的に言って、うーん・・って感じで終わったくらいですかね・・(苦笑)

2010年頃の出来事だったようですが、この感じだと二人の関係修復や再コラボに至ることは、ほぼ絶望的でしょう。

Kjファンの中にも、和解なんてしなくて良いと思ってる方も多いでしょうしね。

ZeeBraが『自身のTwitter』で、KjへのDISについてツイート。

ZeeBraは、『自身のTwitter』でも、KjへのDISについてつぶやいています

理由を詳しく知りたいなら、2008年に出版された自身の自伝本『ZEEBRA自伝 HIP HOP LOVE』を読んでほしいと合わせて語っています。

綾小路翔MCの音楽特番『STAY HOME, STAY STRONG~音楽で日本を元気に!~』で、二人の共演が実現!?

2020年5月に放送された綾小路翔MCの音楽特番『STAY HOME, STAY STRONG~音楽で日本を元気に!~』(フジテレビ)のゲスト欄に、KjとZeeBraの名前が掲載され、共演が話題となりました

『STAY HOME, STAY STRONG~音楽で日本を元気に!~』公式HP

しかし残念ながら、両者ともにVTR出演だった為、二人のトークシーンなどは見ることが出来ませんでした